幸せだと思えたとき人は運命を感じるのだろう。



運命が本当にあって人の幸福だけが運命だというならばこの世に痛みや
苦しみは存在しない。






もしこの世に運命というものが存在するとしたら


どんなに残酷な結末も受け入れなければならないのだろうか。










どんな結末になろうとも私は『運命』という流れを信じたい。






















プロローグ















年月が何百年も流れた地球―・・


技術革新が進むとともに世の中の機械化も進んだ。

人々がより快適な生活を営むことができるよう、科学者たちが頭脳を駆使し
研究と成果を繰り返した結果、様々な場面において機械が登場することとなった。


一番の躍進としてあげるとすれば、

日常生活において人間の世話をする人造人間が当たり前のように存在するように
なったことだろう。



一人の人間を自らのご主人様として、身の回りの世話をする機械、アンドロイド。




この未来は人間とアンドロイドが共存する世界を作り上げていた。
















そんな共存の世界の創造とともにその中の大きな約束と掲げられるものも作られた。





“人間とアンドロイドの間に愛を作り出してはいけない”






アンドロイドは所詮、機械でしかないもの。

この世の暗黙の決まりとして人間の生命を存続していくためにも人間は人間の役目と
して生命を残すことを使命としなければならないという考えがあるのだ。

つまりアンドロイドと人間の間では決してその決まりは守られることが出来ないのだ。



世界の中心は人間という生命であり、機械はその補助としての存在。

アンドロイドは人間のために存在するだけのものとして位置づけられていたのだ。























そんな世界の下で繰り広げられた



一体のアンドロイドが持つ記憶の物語―・・











(2009.7.25)